いわゆるフリーゲームに関する感想や二次創作メインに投稿しています(2023年現在)。取り扱い作品:『冠を持つ神の手』

2012年11月23日金曜日

【かもかて小ネタ】砂糖菓子にさようなら

【 注 意 】
・ヴァイル愛情ルート、多分この後印愛キャップ掛かってB突入
・「秘密の場所」好愛25印愛20以上のその後、主人公のやきもち



砂糖菓子 に さようなら



 ――――……もー読み終わった?
 ――――あとちょっと……。

 ――――ごめ……間違え……勘違い。



 誰と間違えられたんだろう。
 私は座り込み考えていた。
 彼が教えてくれた秘密の場所は本当に静かで、誰かの気配を感じることもない。ただ木々の匂いが充満して懐かしさと切なさが混じり、私は少しだけ、村のことを思い出した。いや違う。正確じゃない。私は少しだけ、母のことを思い出したのだ。外見は血縁を感じさせる程度に似ており、しかし父にも似ていたのだろう私を、どこか遠い視線で見つめる時間のあった母のことを。そのたび厭な気持ちになった。厭わしさをもたらす理由はいくつもあったが、最たるものは――。
 最初からあからさまだった答えに、それでも私は目を向けたくなくて、立てた膝に顔を伏せる。莫迦莫迦しいと思う。今彼が私に向けている感情には愛が、恋愛的な意味での愛情があると、信じている。もし彼が過去誰を――大体の見当は付くが名を考えたくもない!――好きだったとして……夢に見る程度に今も想いがあったとして、気にする必要なんてあるのだろうか。
「わかっては――……」
 思わず漏れて、自分の声に驚いた。
 けれど、そうだ。理解している、意味のない感情だと。こんな、こんな嫉妬なんて。なのにどうして心は乱れるのか、いっそ腹立たしくて膝爪を立てた。
 父母のいない、神の徴いただく同い年の彼。ヴァイル。彼には別に私じゃなくたっていいんじゃないかと、やくたいもない考えがよぎって、いっそう爪は食い込んだ。





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かもかてで愛情ルートやる時は大概の相手に
過去or現在に濃厚な想い人が居るので
プレイヤー的にも複雑なことが多い気もします(笑