いわゆるフリーゲームに関する感想や二次創作メインに投稿しています(2023年現在)。取り扱い作品:『冠を持つ神の手』

2023年7月17日月曜日

アドヒアランス

 軽くプレイしてみましたが、「マリーのアトリエ」面白いです(Switch充電中)。
 序盤からLV20対象地域とか出てきてびっくりするけど、高レベル地帯も逃げやすいシンボルエンカなので拾うもの拾ってサヨナラ可能なの強い。
 攻略一切見ずにやってるから何も分からないけど(妖精さんにどう依頼するか分からずそこだけ調べたか)、一週そんなに長くもないみたいだしマルチエンディングだから効率何それ美味しいのでまぁいいか的な。イベント発生条件もどうせ頭と要領悪くて初周はそこまで手が回らないので一切見ていない。
 均等に雇った方がいいのかもしれませんが、雇用金0をいいことにシアとクライス固定。おかげで一部謎の人物のまま。
 マリーも好きなデザインですがシアがその上を行く好みっぷりで困ります。
 クライスはショートかしっぽヘアだったらという気持ちと、いやあの性格で立ち位置ならおかっぱ気味で合っているという気持ち。というか世間話中のセリフからしてクライスって年下キャラなんでしょうか。そんな進捗状況。
 というか初回街で見かけた時話しかけたら雇えなかったのに、少しした後また見かけた時特にイベントもなく即雇用出来てなんなんだお前するなど。



 前々からヴァイル視点での外伝を読んでみたいと思っています。
 胃は痛くなりそうだけど。
 そんな訳で今回は現状でも十分気が重い外伝ヴァイルの話。
 タナッセもある(ヴァイル居るところ居る)。
 私の気力が持たないのでなるべくサクッといきたい。文章も細切れで心も息切れしてます。


 地味ーにつらいのは、ディットン到着後のリリアノタナッセ親子の会話。
 
 陛下も城の外で少し気が抜けているのかタナッセと楽しそうに話していて、そこは全く可愛いんですけれど、露骨に普段と様子が違うヴァイルに目が行っていないのが、こう……ヴァイルには何を置いてもヴァイルを無償で愛し大切にしてくれる存在が今やいないんだなって感じられてしまって。
 陛下本人が言うように、ヴァイルのことは弟が遺していった子としてもちろん大切にしてはいるんですけれどね。
(余談ですが、質問企画1キャラ篇「タナッセの嬉しかった」出来事最後に切なくなります。というかここでもヴァイル関係ばっかでお前……)

 タナッセはもうお前のアイデンティティの一部だろって勢いでヴァイル好きで大切にしてます。
 弟みたいな従弟で可哀想な境遇の子でおまけに初恋の人だし仕方ないけど、自己形成への影響大きい。

 でも、タナッセもたかだか10やそこらの子供に過ぎません。
 包容力や忍耐力という点ではどうしても物足りない(まあ、あの年齢で親子関係に恵まれずいながらも、ああもヴァイルへ気を払えていたなら十分超えて十二分なんですけどね、本来は)。
 ヴァイルが側に居て欲しい時に(ユリリエ風に言うなら)怖じ気づいて彼の側に居ないことは多い。それでも好きで一緒に居たかったけれど、誘拐時のすれ違いに性別裏切り(しかも一度は女を選んでおきながら再宣言し直す徹底ぶり=絶対に女にはならない、に見える)。
 
 そもそもヴァイルは母親に置いていかれ帰ってこず、父も頻繁に自分を置いていった上で海へ行き帰らず。
 タナッセに寂しいから側に居て、一緒に居ようと訴えられたらもう少し状況も違ったろうけれど出来ない下地が既にある。
 一番最初、石壁を外して結婚したいと無邪気に言えなかったのはタナッセの居心地の悪さがまだ決定的でなかった以上、そっちメインでしょうか。
 
 
 
 質問企画1タナッセの嬉しかった、恥ずかしかった出来事に言及したので改めて。
 
タ嬉「ヴァイルが一命を取り留めたこと」「ヤニエ伯爵が詩を褒めてくれたこと」「幼い頃、珍しく母が一緒に遊んでくれたこと」
タ恥「ヴァイルを犯す夢を見たこと」「ディレマトイが城内で褒められていること」「御前試合の余興でヴァイルに負けたこと」

 ヴァイルの切なかったエピが1/3タナッセ(タナッセに嫌われたこと)。
 タナッセは3/6=1/2ヴァイルかよっていう。
 とはいえ、ヴァイル以外との交流がとにかく少ないですからね。(タナッセにとってはいいことだろうけど)ユリリエも頻繁には来ないし。世界の狭さが可哀想ではある。
 
 というか、ヴァイルはタナッセに嫌われたと思ってるんですよね。
 そうじゃないと言い切れないのが困る。そうだけどそうじゃない……じゃあタナッセ憎悪A以外で何かまかり間違って二人がくっついたとして上手くいくかっていったらいかないし、本当にそうだけどそうじゃないとしか言い様がない。
 
 タナッセがヴァイルへの愛情のみでない複雑な心境にケリを付けられない限りは遠回しなタナッセ憎悪Aにしかなり得ない、と解釈しています。
 ストレートに分かりやすくゲーム内期間で出来る範囲で公式に地獄なのがタナッセ憎悪Aなだけといいますか。
 ヴァイル側が完全に閉じちゃっているから恋愛的な幸せが成立しない。
 ヴァイルの中では終わってしまったこと。
 主人公との反転憎悪後にまともに話せなくなるあの状態が近いでしょうか。
 そしてユリリエもからっとしたものですし(本人言う程割り切れてはいなそうだけど)、自覚出来ていないタナッセだけが区切りさえも付けられていない。
 
 本編におけるヴァイルのタナッセ突っかかりはディットン留学前後とは異なり、意識的に居心地悪くしてる印象が強い。
 ヴァイルはタナッセへの好友(共感・理解)は一定以上あるようですから、あの従兄が他者のためにやたらと頑張ってしまう気質なことは重々承知している訳で。今は心折れ気味ですが、同情を誘うような言動を取れば自分のやりたいことを捨てて居残って踏ん張ってしまいそうなのは目に見えているんでしょう。
 そんなの知ったこっちゃねえな主人公が強いわけである。知ってても(友情経由)結婚もぎ取るが。やっぱり基本図太い造形なのか主人公。
 前者はもう普通に裏切りへの八つ当たり(八つ当たり言うのもアレですが)。
 玉座の間における老女最後のイベントで「ファジル」を選ぶと憎しみという感情の話をしてもらえますが、かもかてにおける憎悪軸は大体この解釈で描かれているように思います。ややメタ。というか老女最後の話はかなりかもかてという話の構造≒ゲームシステムに踏み込んでいてメタ。
 で、そういう部分もあるけどやっぱりヴァイルにとってタナッセって家族だから、初恋の人でもあるし、憎悪に振り切ることも叶わなかったんだろうなと。
 
 
 
 ヴァイルとタナッセ間の印象度について念のため補足。
 以前は印愛印友全く分からなかったんですけど、普通に本編で書いてあるんですよね。我ながら節穴もいいところ。
 
 ヴァイルは「いる理由」。
「でもさ、本当に馬鹿だけど、ずっとここで一緒にいたんだ。だから、それなりに、良く知ってるつもり。皆が言うほど、馬鹿じゃないことも」「あのさ、もう承知してるかもしれないけど……タナッセはさ、自分のためにここにいる訳じゃないよ」「……俺、タナッセが羨ましかったよ」「望めばどこへだって行けるし、何にだってなれる」「あ、王だけは、無理か」「そっか」。条件はタナッセが愛情友情いずれかのエンドの数値を達成している場合。
 
 タナッセは「祝福の徴」。
「お前なら、同じ印持ちだ。奴のことも良く分かるんだろうさ」「……私は、奴が何を考えているのか、もうさっぱり分からん」。条件はヴァイルと主人公が約束済みの状態で好愛30以上。友情ルートだと出てこない。
 
 ヴァイルはタナッセが甘い汁をすするためにいる訳ではないと分かっている。印のない王子という立場を苦にしていることも分かっている。かもかての友情は理解や共感の軸なので、印友はプラス。
 ただし、城から出ない理由をリリアノについてだけだと思っている「いる理由、なくなるものね」。リリアノも自分の言葉にしない希望に応えてくれたと語っている。実際はヴァイルも理由になっていたと考えるのが自然で、どちらか片方欠けていたらまた話は違ったのではないでしょうか。
 
 タナッセは印友マイナスです。理解出来ない。当然共感もない。
 元が印友印愛どちらも高かったであろうことを踏まえると、本来は友情愛情連動タイプだったのかもしれません。
 
 どこまでも噛み合わない従兄弟かつ、そもそもタナッセは対ヴァイルに関しては無意識レベルで自覚を避けている(主人公からの熱視線には気付くので対比でそれが顕著)、といった辺りを勘案すると以前書いたとおりに、
 「ヴァイル→タナッセは相手を結構理解してるし家族の情もあるけれど恋愛対象からは完全に外れた状態」で、
 「タナッセ→ヴァイルは相手への理解が全くないが家族の情はあるし恋愛対象であり続けている状態」。
 タナッセがヴァイルにつんけんするのは、嫉妬イベントがずーっっと続いている感じですね。自覚してないのでヴァイルにも主人公にも吠え続けているという、ぶっちゃけはた迷惑なやつ。
 愛情ルートだと主人公が弱っているのと負い目があるから向けられない。はっきりと守りたい対象であると自覚もしてしまいましたし。
 
 
 
 しかしヴァイルは本当に外伝は泣いてるか心死にかけてるか大怪我してるかで……不憫。
 途中時間が吹っ飛ぶし(六年前→一年前)、そう大きなトラブルがない時間が存在していたことも確かですが、ヴァイル的にはもう割り切ったつもりでタナッセと過ごしてた時間だし……。なお性別裏切りが来る。
 外伝は二人の関係決裂ダイジェストなので仕方ないとはいえ。
 小さな地雷を踏み合うのはこの期間もあったでしょうね。
 
 ところで前にも言った気がしますけど、「すれ違いの果てに」でタナッセが「なんで私があの時ヴァイルに約束出来なかったと思ってるんじゃい!!(意訳)」ってこの空白期にあったんでしょうかね。
 でも関係決裂エピとしては大きめのイベントだと思うので省かれているのも納得いかない。
 
 
 
 ディットンと言えばヴァイルはディットンがお嫌い(確か対ティントア嫉妬?)。
 直前に城嫌いを吐露したタナッセは古都で露骨に楽しそうだし、楽しそうどころかお前さえいなければな状況に巻き込んだ後ずっと会いに来なかったと思ったら話しかけても聞こえてないし、魔の草原で酷い目に遭うし、案の定数年後にディットン留学されるし、いいことなしなので当然です。
 これで主人公までティントアにぶんどられたら神殿との関係がピリピリしそう。
 
 で、魔の草原でヴァイルが何を見たのかが昔からすごく気になっています。
 言い方からして見知った誰かではなさそう。ヴィリーシーかとも考えたことはあるんですけどね。
 謝罪の中には明確にタナッセが含まれていたと思っていますが、イルアノ・ヴィリーシーにも謝ってそうな気はして、一体何を魔に囁かれたのか。最初に読んだ時からずっと気になっています。
 呼ばれる、ってどんな感覚なのだろう。
 魔ってなんなんだろう。
 確かサウスで「世界は悪い夢に包まれている」とかあったので、もうあの世界詰んでる系の気もする。