いわゆるフリーゲームに関する感想や二次創作メインに投稿しています(2023年現在)。取り扱い作品:『冠を持つ神の手』

2023年3月22日水曜日

息止まりの救世主がちらつかない様に!

 救世主はメサイアと読む。
 記事名の元ネタは前記事の元ネタと同様。
 タナッセとSD主のらくがき一個付き。
 
 
 心が痛み過ぎて辛いという意味以外で苦手なルートはまずありません。あぁいや、タナッセ憎悪Aは彼やヴァイルへの理解として必要だけどもやもやしちゃいますね。
 さておき、書きたくなるのも一番好きなのも見ての通りタナッセ愛情Bです。自分の中で今コレが熱い!という流行りはありますが、それでも一位なので実質殿堂入りという代物。
 
 しばらくぶりの「かもかて」で改めて語りたい気持ちになったため、内容は重複するでしょうがちょっと喋ります。

 このルート、タナッセのギリギリ感がなかなかすごいんですよね。
 口が裂けても気に食わない相手兼印持ちに婚約とか持ち出したくなかったろうに、虚偽とは言え野心がある風に見せかけて持ちかける。野心ないのにね。
 中日イベントで「婚約者殿」と口にした時、どんな気分だったのやら。反吐が出そうだったのは確か。
 
 実質ヴァイルを蹴落とすような取引を持ちかけておきながら「身の程知らずの願い」でヴァイルの苦労を見てきたのに印とか王とか欲するはずない、と口走っちゃうのも神業計画的にかなりアウトです。余裕ゼロを超えてマイナス。
 
 王になるのやめる!や舞踏会行かない!すると首根っこ引っつかんで覆させるのも、曲がりなりにも婚約者設定だからというよりは儀式をするのかしないのかキリキリしてる感が強い。キリキリしてるのに主人公がタナッセ視点謎ムーヴするものだから、よりおかんむりになる。
 
 ヴァイルは主人公来る前からギリギリのキリキリで、タナッセは主人公来たからギリギリのキリキリになっている印象です。
 というか、実際ヴァイルの地雷生成にタナッセは基本関係がない(支えになったり踏んだりはあるものの)。
 タナッセは父母との関係が希薄で友人関係も恵まれず、その上でヴァイルと密な関係を築いていたから本編の大体のムーヴメントがヴァイル由来なんですよね。友情軸はタナッセの空席部分に陣取るのでさすがに影が薄いけど、愛憎軸はそうもいかない。プラスマイナス問わず、そこの軸にはヴァイルが先客として鎮座しているから。
 今のヴァイルと程近い態度で憎悪が増し、昔のヴァイルと程近い態度で愛情が増す。
 主人公と殴り愛宇宙して告白された後は無自覚にヴァイルにベタ惚れだった事実と向き合っている雰囲気を感じるので、そこからは単にそういう系統の人が好みって話になるでしょう、ようやく。
 好みのベースがヴァイルなのはもうどうしようもないんだ。間違いなく一目惚れだし。
 
 ただ、愛情反転後でも、しばらくはヴァイルに向ける感情の方が強いというか濃いんじゃないかなというのは昔から思っていて、そう取ってもいいしそう取らなくてもいいくだりを小ネタかSSで書いた覚えがあります(あれは特にどっちか決めずに書いて、特にどっちか決めないまま来ています)。
 タナッセに限らず、ヴァイルもローニカもその傾向を感じる。
 ユリリエはタナッセ初恋の筈なのですがこう……ひと味違うイメージ。双子は友情軸なので別枠。
 
 時間だけで全てが決まることではありませんが、やっぱり過ごしてきた時間の長さや交流の密度は無視しきれず、そこはもうどうしようもないんだその2。
 別に主人公のことをそこまで愛していないとかそこまで大切にしてないとかいう話でもなし。
 贖罪の念がまるでないとは言いませんが、それ抜きにも好意爆発しているのは、テンパったとはいえキス仕掛けちゃった「生殺し」でよく分かります。「雨の中の遭遇」で雨に濡れた主人公の手指の冷たさに言及するくだりも分かりやすいか。途中で我に返りますが、つまりそれは僅かな間とはいえ我を忘れるくらい心配だったって証左ですし。そもそもタナッセにとっての「ささやかな儀式」に呼んでしまうのがね、完全に懐に入れてくれているっていう。
 
 むしろ主人公のこと無茶苦茶大好きですね、コレ。
 分かっていたけどラブラブだ。
 末永くお幸せに。
 
 
 
 主人公も主人公でなかなかギリギリ。
 どの時点で主人公が反転するかはプレイヤーの胸先三寸なんですが、「不穏」「神の業~」辺りで反転する主人公は一杯いっぱいで哀れだなあと解釈しています(特に後者)。
 
 この辺は「印象は~」で触れてますが、そんな解釈です。大体どの小ネタやSSでもぶくぶく沈むし諦める主人公がベースです。違う想定の話もありますが、概ね記事タイトルな感じです。息止まりの救世主(メサイア)がちらつかない様に! 続く歌詞は「――何を信じれば良かったの/――誰に打ち明ければ良かったの」。
 タナッセは赦しが欲しく、当ブログ主人公は救いが欲しく。
 
 そういえばどうでもいいですが「印象~」では「見世物芸人」で芸を成功させてたから「詩歌披露会」でタナッセに失敗させた方が流れとしては面白いんだけど(選択肢焚きつける、ですね)、構成的に邪魔で入れそびれてたような覚えが。
 流れ云々でもう一つ。個人的に「生殺し」以降のイベントは「雨の中の遭遇」→「ささやかな儀式」を経てから他イベント見るのが好きです。「生殺し」のあとに「選定の印」出して一気にすっきりしたタナッセを見るのも乙とは思いますが、間にイベント噛ませた方がなんとなく好みで。BGMが遠天から通常進行の歯車になるにあたって、雨BGMを噛ませて緩和したいという意図もあったり。確か「印象~」でもそうしていたはず。



 余談。
 平均寿命短めのグラドネーラにおける三歳差は、私たちの世界で言う五歳差くらいありそうだと最近考えています。年齢差好きなので勝手に萌えが増しています。
 
 
 
 この絵は昔と変わらず絵って難しいよ男性キャラは特に難しいようえーんと泣き言を言いながらも昔よりは描けるようになってきたフフフ(当社比)とほざきつつらくがきしたブツ。ここ数年は自分の中で及第点に引っかかってきたのでタナッセの絵をもう少し描きたいです。新年の抱負ならぬ新年度の抱負です。