【 注 意 】
・タナッセ「結果と後悔」後
・三人称、「無意識の今まで」を変えうるほどの
過程と結果、あるいは一つの区切りとして
一人の少年が中庭に取り残されていた。
周囲の景色は天候含めて穏やかで、鳥の声も聞こえている。けれど彼は眉根を寄せ唇を引き結び、城の方を見ていた。
過程に何かを求めることはやめようと。
明確に考えたわけではないが、彼はある時からずっと頭の片隅に置いて生きてきた。諦めではなく、割り切りとして、だ。
村に定住することで母子飢えずに済むという結果が表れる。どのような扱いを受けたとしても、たとえ過剰な仕事を押し付けられようとも、最終的に生きる糧を得られるから、だから、ひとまず行う。
そういった考えも、範疇には含まれている。だが己の基本思考故に自覚はなく、なので今、結構な遠回りをして彼はある人物の誤解を解こうとやっきになっていた。
ある人物――先程城へ逃げ帰ってしまった印なき王子、タナッセ・ランテ=ヨアマキスである。
彼はタナッセに何も言えず見送ってしまった。
彼の考えは、端的に言い表すなら喧嘩両成敗。喧嘩両成敗だから殺人未遂も良いのでは、今生きているし、という流れは、根本的な部分への不理解から生じる飛躍だ。飛躍を埋めるため、感情ばかりが先走る。
結局、伝えられずじまいだ。
彼は首を何度か横に振った。大きすぎる動作が、緩く一つにまとめられた黒髪を遅れて動かし、頬に勢い良く当たり打擲に近い音を鳴らす。
「――――」
ひりつく頬にてのひらを当て、少年は歩き出した。タナッセのあとを追うためだ。逃げる彼が、普段通りの行動をしないであろう彼が、一体城のどこへ向かうのかはまるで見当がつかない。でも別に構いはしないと、当たり前のようにそう思って。
そして、誰もいない中庭になる。
しばらくは鳥の声が響いていたが、羽ばたき音ののち、それもなくなった。ただ、飛び立ったであろう鳥の、空色の羽根が舞っている。
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タイトルと注意書き説明まんま。
何か抉らせてしまっているタイトルが多いので
逆に目立っていいような、
これはこれですのっぶ的かぶれが見え隠れして、結果印象同じなような。
超余談。
とぶ、という共通点と、
女性選択したので、というのと、
ちょう、繋がりとか、タイトル後半とか、
まあ他にも色々あってそっち寄りの形容を取っていたりなんだり。