いわゆるフリーゲームに関する感想や二次創作メインに投稿しています(2015年現在)。取り扱い作品:『冠を持つ神の手』

2013年4月1日月曜日

【かもかて小ネタ】メルティ・メルティ・スウィート・フール


【 注 意 】
・タナッセ「生殺し」で
 >信頼しているから





メルティ・メルティ・スウィート・フール



 どうして逃げ出したのが彼で、どうして私は残っているのだろう。
 強引に唇を重ねてきたタナッセは混乱した様子で地下湖から姿を消してしまって、私は真意を問うことも、口づけに反応を返すことも出来なかった。私を莫迦にしたような言葉を否定することも。
 だって、彼へのわだかまりが消えてなくなった今ならよく分かるのだ。
 タナッセは確かに酷いことをしようとした。でも、実行しきれず嫌いな相手を救ってしまった。
 私は二度も人気のない場所に私はのこのこ着いていったから、まあ、正直いくらでも手の下し用はあったはずだ、本当に救けたことを後悔しているのならば。一度目は忠告しか残さなかった。
 タナッセ、城での評判は貴族・使用人問わず酷い。適当に努力して適当にへつらっていればいいものを、どうも何か言われるたび皮肉と厭味で返していたようで。以前は莫迦だな、要領悪いな、と、思っていた。けれど最早彼へ負の感情を抱いていない私にとっては真逆の意味を――価値を、持ってくれる。
 私を罠にかけるための婚約という腹芸はあった。しかし嘘で塗り固めきれないのも事実。全く、そんなの……殺せなかったことはまだしも、忠告しか残さなかった先日の言動の理由は明々白々じゃないか。
 後悔は強くあるが、殺せない。殺す気なんてありはしない。
 出来ない人だと信じられる。
 第一、私、言ったはずだ。タナッセのことを好きになってしまったと。
 だから、本当、考えればすぐにでも分かる話なのに。
 自分から口づけを仕掛けておいたくせに大慌てで逃げていったタナッセに莫迦なんて評されるのは、少々、いや、結構心外だ。
 むしろ、莫迦はタナッセ。
 私の心を土足で踏み荒らした初めての人で、なのに救けて、しかも唇を同意なく触れ合わせてきて、更には存外真っ直ぐな人で。
 タナッセは酷い。
 とってもずるい。
 あの日もこっちに言わせるだけ言わせて逃げ帰った。今日も言いたい放題やりたい放題して逃げ帰った。
「…………こんなに」
 思わず呟いてしまう。慌てて先の言葉は胸の奥に押し込めたものの、音として消化できなかったせいだろう、そのまま渦巻いて熱になる。でも、言えないから。けど、我慢も苦しいから、一言違うことを口にした。
「タナッセの、ばか」










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ついていって逃げないと必ずキスにもつれ込む辺り、
色んな意味でタナッセの、えぇまあ言葉選んで言うなら追い詰められ感が見えますな。
基本に立ち戻ろう月間……月間? そんな計画性はない。

「CCC」プレイ中息抜きに書いていたのですが、
今のところそちらには二次モード入らず
書きたかったかもかてネタが書けそうで、ちょっと一安心。
超シングルタスクなので一つのことにしか集中出来ませんや。