いわゆるフリーゲームに関する感想や二次創作メインに投稿しています(2015年現在)。取り扱い作品:『冠を持つ神の手』

2013年8月3日土曜日

【かもかて】形はなくて存在はして相手を映してそれなら君は水鏡

 夏なので何か夏めいたことをしようと思い立ちました。なんて頭の悪い文章だ。

 ので、コミケもあることですし(最近ずっと参加していない上謎理屈ですが)オタクらしく作品語り的なものを。
 そういえば最近の同人誌って、あの良くも悪くも独特の熱さを持った語りって見ない気がしますなー。コマ横の一言とかも。後者はまぁアレですか。

 まーいつも小ネタやSS末尾にあるダベりで一記事作ったよーなモンなので、気軽に。
 ちなみに当方の基本成分は「思慮足らず50%、うっかり30%、ド忘れ20%」です。結果あとで自分発言確認に読み返した時「……何を言ってるんだこいつ?」事案が発生します。ごめんなさい。

 あ、だいぶ人名でなく主人公という立ち位置表記にも慣れたのでこの記事でもレハト呼びなしです。





正道に価値はなく 悪道に価値はない
真実に価値はなく 虚偽に価値はない
 だがそれを楽しむならば
 世界を四倍は蝕めるのだ
(『機甲都市伯林4』川上稔)



 まず、どれもが正史でそれもが正しくもなく間違いでもなく、なら全ては正史で正しくあり間違いでもある。
 最終的な裁量がプレイヤーの手に委ねられている。

 主人公に関しても、紹介ページにデフォルト名の表記があるなどはしつつも、基本雑文や質問企画では「主人公」呼びだったり、外見を出す気はないと明言されていたり、自由にやりやすい環境を整えて貰えている、という有り難さ。
 神経質なタチの私はすごいなあと思うばかりですや。



■タナッセ愛情

 フリー版DLして真っ先に誰を落とそうとした――あ、恋愛的にです――かと言いますと、このヒネクレ王子でした。

 左の方に書いてありますが、私は恋愛ゲームは基本エロゲ界隈の人であり、あそこは一部ブランドを除いて「いわゆるゲーム性」はないです。選択肢ゲー。その選択肢も最近は超単純明快。
 結論言うと「キャラなし/飼い殺し」エンドでした。
 ……タナッセに特攻した人はみんなそうだったって思いたい。

 今でこそ「よっしゃー時間あるしタナッセ愛情やるかー」というぐらいの気軽さで取り組めるルートですが、まさか憎み合わないといけないとか婚約しないといけないとか分からず。
 憎悪も嫌悪も中途半端な数値なので憎悪エンドにももちろん行けないという。
 一周目は感情値選択画面の背景色にも全く気付いてませんでした。

 懲りずに二周目もタナッセ狙い。
 作り込まれているというがまだ録に体験出来てないぞ、と。

 そう、元々、
「なんか時間掛けて作り込まれたゲームが先日完成したらしい」
「無為に時間を掛けた/掛かったのではなく、実際に作り込まれていて面白い」
という評判が偶然に、かつたまたま訪れたサイトで目についたのがプレイのきっかけ。
 なので、実はこの段階ではタナッセに印愛なり印友なりがあったわけじゃなかったりします。

 とにかく、システム面の不満――扱っているデータの大きさのため+吉里吉里/KAG故か個人的尺度では少し動作がもっさり気味――を覚えつつも二周目スタートハイ撃沈。
 えぇ、即、即ですよ。

 その後三度くらい同じこと繰り返して、いやまあ下級ながら役職には付きつつですがキャラなしエンド行って、よし、攻略書いてあるとこなかろーか、と逃げに走りました。
 幸い要所に触れている……サイト様だったかブログ様だったかがあり、ようやくクリア、なったら良かったんですが。
 何されれば憎まれるのかで試行錯誤が始まり、何度かやっぱりキャラなしでした。

 十周に至る前に、それでもなんとか愛情ルートに突入。
「神の業、人の業」で「廻り出す~」が「遠天~」に切り替わった時のときめき、「与えられるべき~」で告白した時の動揺っぷり――タナッセが転けつまろびつ出てくヤツです――に吹き出し、「生殺し」で萌え転がり、「最後の日」で落とされました。
 王になる能力値が分からず、Bエンドだったのですが、そっちもまたラブラブかましていて。

 ……日数ギリギリだったので、確か「生殺し」→「ささやかな儀式」→「最後の日」だったかな。今思うと美味しいイベントいっぱい見逃してるんですよね。
 だというのに当時の私は存分に萌え転げ、攻略支援版をソッコでお買い上げしました。

 その後当然ながら、回想見て色々な条件分岐があると知って、かつ好感度表示機能があったこともあり、愛情ルート取りこぼしイベント見て、更にじたばたする羽目に。

「選定の印」は大体色々話をされてそれも素敵なんですが、そこに至らない値だった際のお前に言うことじゃないかーという甘やかしっぷりも今後を思わせて美味しいです。

「もう一つの未来」は「似合ってる」言われて喜ぶ辺り、やっぱりギリギリまで女に振れていたんだろうと伺え、なのに男選んだのが複雑さを醸しだしてますし、だからこそ問われた主人公が「女」になるよと即答した時の嬉しさ駄々漏れ感が引き立つ気がします。

「雨の中の遭遇」は「側にいたかった」がもう直接的な萌えですよね。

「たまの孝行」はタナッセの素直じゃない感が可愛いし、親バカ満開を楽しむリリアノもまた可愛い。

 それはもう、「登場人物」の説明を読んで「この中だとこいつが一番好みに近いかなー取り敢えずこいつ目指してみるかー」とかほざいていた初期の自分をちょっと殴りたくなる勢い。

 芯の強いへたれ要素持ち(文系)好きです。
 ケンカップル好きです(くっつくまで喧嘩系も、くっついてからも喧嘩系も)。
 本人たち以外に理解者が居なさそうな、余人からすればカオスな経緯の恋愛関係大好物です(もちろん当人間にはきちんと意味がある)。

 あと、「最後の日」で「本気」だけど結婚は「断る」と、タナッセは結構萌え台詞を吐いてくれて、胸が痛むのに選択したくなってしまいます。
 語の選択が卑怯で。
 だって「手に入れ」るだの、「執着」だの……。
 本当、タナッセって恋心の送受どっちも不慣れでソッコで照れ入るくせに、素で結構言う。おかげで破壊力が半端じゃないです。

 友情ルートで「素直じゃないが面倒見の良いお兄ちゃんタナッセ」を見たあとだと、より際立つ気がする。
 ジェンダー概念が薄れつつあるとはいえ、まだそこかしこに残ってるところを二年間男性性で生きてきたんだよな、ともしみじみ感じたり。



■タナッセ友情

 ありがとう攻略支援版。
 そしてありがとう好感度マイナススタート……。

 未だに「……おし、やるかタナッセ友情」と少し腰が重くなります。
 下手の横好きなので、ゲーム好きですがゲーマー言うとガチのゲーマーに怒られてしまう酷い腕前なのです。

 一周目コケて、二周目で黄の月の最後だったか、もう黒の月になっちゃってたか、「望まぬ~」→「クレッセ」。

 いや本当に攻略支援様さまです。
 回想で分かりやすく数字が出てくれなかったらあと何周していたことか……。
 でも結局宿題は受け取ってもらえただけだったり、やっぱり美味しいイベントちょいちょい逃してます。
「励みの理由は」でも柑橘水出なかった覚えあるし。
 ヴァイルへの印象マイナスにするって頭がなかったり、「知恵の時代」での最高能力値ミスってたりしたからな。

 愛情ルートでは解決出来ない部分、というか、タナッセが自分である程度処理しちゃってる辺りと、愛情ルートでは基本出てこない詩人設定が出るのが肝ですね。
 愛情ルートが畳み掛けるようなドラマチック展開なら、友情ルートは順を追って行く穏やかな展開。

 あと、基本恋が絡まないので「雨の中の遭遇」でもタナッセが未だに……完全過去なのか焼けぼっくいに火がつく程度には燻ってるのか謎なヴァイルへの感情をサッパリ自覚してないくさい。
(タナッセ愛情「雨の中の遭遇」やヴァイル愛情「最期の決闘」は気付いているとも気付いていないとも取れるがどっちなのやら。タナッセ憎悪Aではさすがに気付いたろうというか気付かんかい)
 今後友情ルート(主人公・タナッセ間が完全友情オンリー)の奴が気づくことはあるんだろーか。

 しかしこのルート意外に罠ですよね。
 愛情ルートでは全キャラ共通の愛情系イベントが性質上出せないので、こっちで好愛上げなきゃならないじゃないですか。
 印愛も当然上げるじゃないですか。
 告白するために最低でも35に。

 マイナス値だと、35ってもう人を殺せる、そんな強い感情値なんですよね。
 それぐらい強く愛してるのに、我慢する。
 そりゃ思わず反転させてナイフでバッサリする主人公も出てきます。

 しかし色々他にも理由があるのはよく分かりますが、お城の閉鎖環境っぷりはどうにかしましょうよ、とタナッセにしろヴァイルにしろ見ていて思います。
 湖に囲まれているけど中の環境は沼地だ。

 なんにせよ、対等な関係というのも愛しい半身同様得難い存在ですよね。
 とはいえ、完全友情オンリールートとかは当ブログでは書かない気がします。
 何かしらの不足感がなく、今のところ友情ルートは本編で満ち足りているので。
 あと、カップル好きとかやわこい何かではなく、カプ厨だからです。痛いよ!



 そういえば、タナッセは愛情も友情も判定が気になる箇所があって困ります。
「神の業~」で助けてもらえるか否か。
「クレッセ」で話しに戻るか否か。
「いざ尋常に」知力の際、リリアノと判定人を分ける要因は何か。
 複合要因だから条件分岐が簡潔なのでしょうが、分からないとなると気になるもので。



■タナッセ憎悪B

 思いついた設定が設定だったので二の足踏んでたんですが、やっぱり書こう、と再度思ったので、それを書き終わったら、いつか。

 一つ言えるのは、「最後の日」告ったら何故そういう動揺をする(笑)、ってとこですか。
 というかタナッセは基本告白した時の反応が秀逸。



■ヴァイル憎悪B(反転)

 何故これが愛情や友情を押しのけて先に来るか。
 理由は単純で、ヴァイルに萌えたのが反転憎悪Bだから。
 そこから遡って、既にクリアしていた愛情や友情も好きになりました。

 というわけで、愛情・友情時点から好きだった方にはちょっともやっとする感想が以下には散見されると思います。申し訳ないです。



 元々、ピンと来る要素がなく、どちらかというと苦手な要素が多くあり、という感じで――今ではそれらもほとんどが好き要素に区分されてしまったのだから現金というか呆れるというか我ながら酷い……――当時は「正統派憎悪は難しいらしい? 反転憎悪は簡単? じゃあ反転のほうプレイしてみよう」と軽い気持ちで手を付けたのです。

 ……まぁ、ヤンデレ好きでして。
 いとも簡単に転げ落ちました。
 で、そういうことをかますキャラが愛情ルートであぁなのか! という……ギャップ萌えはギャップ萌えだけどなんか順序がおかしいギャップ萌えを起こし、今に至ります。

 主人公も反転してもいいですが、反転しないままが一番好きです。
 印愛据え置き、印友は会いに行くたびちまちま下がる感じ。会いに行くたび好友上がるヴァイルとは対照的で、つまり今後も掛け違えたボタンを直せないまま。
 ヴァイルが男を選びたがってたから、と一縷の望みを掛けて女を選ぶも結果は監禁。

 本来ならお互いを半身として、どちらが王で王配でも幸せ街道まっしぐらだったろうに、憎悪BCでは厳然とヴァイルが王で主人公はただ飼われているだけ。

 で、互いが互いに「どうしてこんなコトになったんだろう」とぐるぐるしている上、解決も出来ないままという。
 子供の自分(≒問題)をまるっと抱えたままなので“大人”が介入してやらんとどうにもならず、しかし肝心の大人は大人で負い目があるしヴァイルが暗殺するのでどうにもならず。

 とかなんとか考えています。
 反転憎悪だと告白以降は避けられっぱなしなので、えぇ、なんというか感想じゃないですね。ごめんなさい。

 あ、強いて言うならわざと決闘に負けたいです。
 わざと負けるバカな主人公もいる気がするという個人的な理由ですが(汗)。

 憎悪B+タナッセ愛情は、どう転んでも美味しい。
 次に書くならヴァイルがある意味勝った話。まーあの状況になった時点でみんな敗者の気はしますけど。



■ヴァイル愛情

 おとぎばなしとか、童話とか、それぐらいのまとまり感。

 むかしむかし あるところに、 ひとりぼっちのしょうねんが いました。
 しょうねんは かみさまにあいされた こどもでした。
 そのうえ、 しょうねんは あかるく げんきでしたから、
 しょうねんのまわりには、 たくさんのひとがいます。
 でも、 おとうさんはいません。
 おかあさんも、 いません。
 おばさんは いそがしいし、
 むかし なかよしだった いとこのおにいさん とも いまは けんかばかり。
 そして、 たくさんのひとたちも、 かぞく じゃありません。
 ともだちでも ありません。
 だから、 しょうねんは ひとりぼっちでした。
 ひとりぼっちだと おもっています。
 あるとき、 しょうねんとおなじに ひとりぼっちの――――

 ……みたいに、絵本として表されてもいいぐらい。
 Bはちょっと波乱含みですが。

「かもかて」は有り難くも「どれもが正史」で構わないという、大変に太っ腹な作品です。
 とはいえ、「かもかて」の王道ルート(正史ではなく)はどれか? と問われた時、ヴァイル愛情Aを上げることは、多くの人がやぶさかではないんじゃないかと思います。

 雑文でも、登場人物たちは基本年齢ごとに対になっていて、ただしヴァイルは例外、対が主人公だから、という意味合いのことが書いてあります。

 鏡合わせのような対の存在の邂逅と恋愛。
 語ることないとはこのことというか、語るのがいっそ難しいというか。

 たとえばタナッセ愛情は、タナッセの反転も主人公の反転も、理由が明文化されていないがために解釈の余地を残し、そこが感想的にも二次創作的にも語りどころだったりするんですが、ヴァイルはその性質上、語りにくいです。
 ヴァイルルートで一番好きな憎悪Bさえあんまり文章書けない程度には。

 そういえば、ヴァイルは未分化なわけですが、やっぱり第一印象が強いせいでしょうね、私には基本的に少年、男の子に感じられます。
 立ち絵も基本そう見えるし(ただ、立ち絵は色白くて頬ピンクで唇もふっくらなので中性的にももちろん見える)、羅伊紀さんのイラストもほとんどは男の子と受け取ります。
 例外として、幼少ヴァイルやアニメ絵ヴァイルは逆に女の子にしか見えない感じ。

 私と逆に、どれも基本女の子にしか見えないという方や、どれも基本未分化にしか見えないという方もいるんでしょうな。

 ……ヴァイルの魅力は他の、既に性別決まって一、二年経過してるキャラに比べて「どちらでもあってどちらでもなく、故にどちらにも受け取れる」ところだから、話すならそこなのかもしれないと今更思いました。

 あ、総合して言うと、(私の眼だと)どちらにも見える=未分化らしい、という意味で、現行の本編ラフ絵は一番お気に入りかもしれません。