いわゆるフリーゲームに関する感想や二次創作メインに投稿しています(2015年現在)。取り扱い作品:『冠を持つ神の手』

2013年7月25日木曜日

【かもかて小ネタ】そら色くろ色みてる色

【 注 意 】
・タナッセ愛情
・ユリリエ視点三人称、何をするでもなく






そら色 くろ色 みてる色



 強いて圧した音だと思った。
 もう一人の印戴く者であるこどもが発する声である。
 ユリリエは当初、子供らしい甲高さを辛うじてしか感じられないそれが意図して生み出されていると思い、真剣で打ち込まれるという危機感を煽る状況ですら同様なことを淡い驚きを持って見つめた。日常での不意打ちならば、子供だとて自身を騙せるだろう。だが、御前試合とはいえ、手加減があるとはいえ、獲物はよく手入れをされた銀色。
 これは、と彼女は考えた。
 これは相当年季の入った嘘吐きか、たまさか斯様に響く声であるか、もしくは、と。
 幾度かこどもと話をして、結局三つ目の理由だろうと見当をつけ。ユリリエは少しばかり、こどもと莫迦な従弟の行く末が気になるようになった。もっと言うなら、自分自身を見事に無様に無意識に欺く二人の結論は、「あの子」の時より酷いものに陥らないかと気になった。
 無論、口を挟む気は一つもない。実際ユリリエは舞踏会など会話の必要があれば接触もしたが、遠巻きに見つめていただけだ。気には掛けるが行動に繋げない。
 諦めの良すぎる「あの子」を筆頭に、あの莫迦な従弟、そして初めて現れた二人目の寵愛者。皆気にはなるし気にも掛けるが、皆各々頑固で、何より彼女は己の可能不可能を熟知していたので。
 だから、従弟と二人目の彼に剣呑な噂があった時ですら、何を言うでもなかった。噂は真偽不確かで茫洋とした代物だったが、口を憚る事件があったのは確信していた。けれどもユリリエはどちらに会いに行くでもなく。もう一人のほうが目覚めたらしい、従弟が「お見舞いに行った」ようだ、と耳にしてすら。
 ただやはり、気にはなっていた。かつて、ある噂を聞いたことがある。「あの子」が生死の境を彷徨った時、ディットンから駆けつけた従弟が手酷い目にあった、ということと思しき内容に、尾ひれが付いたものだ。
 今度は、その噂とは別の形で酷い状況。真偽不確かな噂のいずれにも含まれている従弟の非道は詳細はともあれ、間違いなく事実だろうと判断したから、ユリリエは一つの結論が出される時を普段通りの彼女のまま、待った。
 待って、待って。
 こどもが目覚めて数日経って、しかし処断の話は聞こえてこず。現王の息子の醜聞なのだから緘口令を敷こうが何をしようが漏れ出てくるはずなのに、あるのは詰まらない噂だけだ。
 あら、とユリリエが僅かな疑問と微かな確信を覚えた頃、後者を後押しする光景見かけてしまった。失笑を得てしまいそうな顔で早足の従弟と、彼を追いかける真剣そうな小柄の姿。
 従弟が情けないのは常である。だが、追うこどもが子供らしい様で小走りしているのは、彼女の頬に笑みを浮かばせた。ああいう顔も出来たのか、と。
 そしてどちらの浮かべている表情も、ユリリエにはよくよく見覚えがあるもの。
 口を開いて笑いかける自身を抑えるように、彼女は細い指を唇にあてがった。
 いずれ再びこどもと会った時――いや、こどもが大人に成った時、声音は今より高いか低いか知らないが、どちらにせよ自然な響きを魅せるだろう。










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ヴァイルが登場するほど仲良くない場合、
わざと好愛下げでもしない限りBではユリリエが出てきます。
ヴァイルが出る場合は条件的に分かるし、リリアノはタナッセの母親なので当然。
(物語的要請にしろ)初期値でも出てくるユリリエについて
自分の中で明白にしておこうという何か。

頭の中にだけ置いておくと容量少ないため他の挙動が重くなるので、
些細なことでも出してしまうのですが、
他にも容量圧迫しているアレコレあるので、まぁそのうち出したいところ。
多分私の頭は窓3.1くらいのOSと、その当時の各種スペックですなー。