いわゆるフリーゲームに関する感想や二次創作メインに投稿しています(2015年現在)。取り扱い作品:『冠を持つ神の手』

2013年6月20日木曜日

【かもかて小ネタ】Confirmation bias

【 注 意 】
・城へ向かう鹿車の中で
・かなりの確率でタナッセ愛情かヴァイル愛情(あるいは反転憎悪)へGO
※()内を付け足し同月24日




Confirmation bias



 あ、と僕は見をすぼめる。
 懐かしげに本をめくっていた母の表情が硬いものになったから。真っ白の花びらに似た微笑みを消した彼女は、その本を投げつけてきた。咄嗟に出た腕が弾き顔には当たらず済む。角でもないのにやけに痛いなと僕が戸惑っていると、母は慌てたようにごめんなさいと駆け寄りしゃがみ込んだ。……母の青ざめた顔色は、後悔のためだけじゃない。知っていたから僕は黙って首を振った。
 気付くと僕は鹿車の中。目の前には白髪白髭の老人がいて――あぁ、僕じゃなくて私だ。
 私は現実世界で首を振った。眠ってしまっていたのだろうかと白髪の彼、ローニカに時間経過を尋ねるけど、どうも数度舟をこいでいただけらしい。うとうとする合間に滑り込んだ夢があれだなんて、私の夢は私に喧嘩を売っているんじゃなかろうか。喧嘩を買う主義ではないのでお引取り願いたい。
 もうすぐフィアカント、王城のある街が見えますよ、と穏やかな抑揚が言う。
 肯きながら内心ため息を一つ。もっとさっさと額のみっともないものが見つかっていれば、母はあんなに苦労せず済んだろうに。
 知っていたからこそ、父なし母子の闖入者に甘んじたのだろう。思いはするが、低いひくい視界持つ夢のあとだからだろうか、自虐的な考えばかりが浮かんでしょうがなかった。気分、切り替えないと。これからは城で暮らすしかない。あそこで様々を得る必要があるのだから、過去に浸ってばかりもいられないのだ。
 駄々っ子めいて浮かび続ける拒絶たちに無視を決め込み、私は道中急ぎ用意された上質な衣服の折り目だけを見つめた。
 沈黙だけは、いつでも優しい。
 どうしようもなくなると村ではよく木の上に登ってだんまりを決め込んだ。私ほど木登りの上手い子供はなかったから。最初の頃はみんな下の方で騒ぐだけ。続けていると、私が木に登った辺りで早々に諦めるようになった。
 でも、さすがにそんな逃げは通じないな、と考えを巡らせる。
 次第に近付く大きな石造りに、冷えた感情を抱きながら。










(そして彼に出会う)










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たまにはうがーっ!ってしないと
煮詰まって行き詰まってうがー入りますよという話。
感情名をラベリングする行為も可。
テキトー頑張れ14歳。