【 注 意 】
・主人公が村から居なくなった後の小話
・質問企画3「その他ゲーム内容について」のある可能性に触発された形
永遠があるという城
そのこどもは、ある日突然村から消えた。
理由を知った者たちは思わずの哄笑を余儀なくされたが、村長と神官が同意半分の渋面を浮かべると戸惑いを浮かべて顔を見合わせた。有り得ないではないか、あんな薄汚く――器用でなんにでも役には立ったが可愛げのない鉄面皮が次代の王候補などと。アネキウスの寵愛を受けし存在だなどと。
だが、王城へ連絡を行えばすぐさま身なりのいい男が辺境の村に不釣り合いな作りのいい鹿車でやってきて言ったのだという。確かに彼は神の選びし者であると。
村へやってくる貧乏な商人の大言壮語のほうが、まだ面白い冗談だろう。
しかし万一彼が本当に次の国王になったならば。村での仕打ちにありったけの憎しみを覚えて復讐せんと望むならば。
身を震わせる者は多かった。心当たりならいくらでもあった。
待ったはけれど即座にかかる。
あのこどもが母親を亡くし、どれほど意気消沈していたか知らぬ者は村にいない。そして、あるいは時折耳に届くように篭りの間に彼が儚くなってしまう事態を想定した者も、一人や二人ではないはずだ、と。
ならば問題はあるまいと、身を震わせる仲間へ肩をすくめた。
単身、知る者一人いない見知らぬ場所に放り込まれた田舎者、寄る辺のない未成年のこども一人、耐えきることは出来ないだろう。
確かにそれは、いかにもらしい物言いではあった。
無駄な心労はなくなり、やがて彼らは日常に回帰する。
突然消えたこどものことなど、最早話題にも上らなかった。
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タイトル元ネタ：『少女革命ウテナ』第9話。
内容元ネタ：質問企画3「その他ゲーム内容について」内
>Q.主人公も、状況によっては成人になれずに衰弱死してしまう可能性がありますか？
>A.あります。回答日：2013/01/16
より。
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タイトル元ネタ、劇場版でも出ては来ますが敢えてのこちら。
そういえば幾原監督もみんなでセクシーなシーンを見るのは
気まずいようで少し意外。
